抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,遠隔協調作業に複合現実感(MR)を取り入れたシステムが研究されてきた。このシステムでは遠隔のユーザが所持している実物体を仮想物として作業空間に表示し,仮想物に自分の実物体を重ね合わせることで遠隔間で物体の位置を合わせることができる。これを利用することで遠隔に対する作業指示が可能となる。しかし,MR空間では仮想物を3次元的に認知することは難しく,特に奥行き方向に関して実物体を正確に重ね合わせることはできないという問題があった。そこで本研究では,MR空間における実物体を利用した遠隔協調作業において,実物体と仮想物を正確に重ね合わせるための仮想鏡を提案する。本提案における仮想鏡は鏡面上に鏡像を2次元で表示する現実の鏡とは異なり,面対称あるいは点対称の位置に3次元で鏡像を表示する,重ね合わせのための新しい鏡である。この仮想鏡を用いることで,MR空間における3次元的な空間認知を支援し,指示に対する実物体の正確な重ね合わせを実現する。提案概念に基づき,対称の種類や鏡の設置角度の異なる3つの仮想鏡を実装した。そして仮想鏡のない環境との比較実験により,遠隔MR協調作業における仮想鏡の有効性が明らかになった。(著者抄録)