抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自然言語で記述された数学の問題を理解し,解を求める従来システムの多くは問題領域を限定した上で言語解析と計算処理を一体化していた。本論文では,1)自然言語処理による問題文の意味解析,2)立式,3)ソルバーによる計算処理の実行という手順で数学の大学入試問題に対する答えを求めるシステムについて解説した。まず,二次関数に関する入試問題を対象として実閉体における一階述語論理式に帰着させると,限量記号消去(QE)を適用して解けることを説明し,数式処理システムMaple上のQEソルバーSyNRACを紹介した。次に,1)に対するボトムアップ処理フローとして,i)数式解析,ii)形態素・構文解析,iii)共参照・談話構造解析意味合成,iv)オントロジー・知識ベースを用いたソルバー入力の導出について説明した。i)では数式の記述形式としてMathML(Mathematical Markup Language)を用い,数学オントロジーOpenMathとの対応付けが明確なStrict Content MathMLによって数式の解釈を行う。ii)ではひとまとまりの数式を1単語とみなして日本語組合せ範疇文法に基づく構文解析器を用い,iii)ではλ計算による談話表示構造の導出を行う。i)~iii)によって数学要素の型を判定することで2)の手掛かりとなったり,3)でのソルバー選択に利用できることを示した。