抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「計算可能なものはすべてTuring機械により計算可能である」というChurch-Turingの命題では,ディジタル計算,確率計算機,並列計算機,量子計算機,インターネットなどの計算モデルを含んでいない。そして,現在,計算は原子や整数のような自然の基本部分の一つであるという見方を述べた。Peter Denningは,Church-Turingの命題の応用可能性に関して以下の3つの問題を掲げた。1)Turingの計算は有限回数のステップの後に停止するが,今日の,オペレーティングシステム,Webサービスなどはこの中に含まれないのか?2)Turingの計算の定義には,物理量表現のために連続信号を用いるアナログコンピュータの概念は含まれているのか?3)Turingの計算概念には,自然界の情報処理や自然計算に関する最新の議論を含んでいるのか?を掲げた。本稿では,これらの問題に対する考え方について議論を行った。その中で,計算プロセスはアルゴリズムや値と呼ばれる概念の表現列であるというDenningの考え方を紹介した。このことは,Denningの新しい定義が再定式化されたTuring機械に他ならないと述べ,計算可能なものはすべてTuring機械により計算可能であることを論じた。