抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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危険に対する行動変化の指標として,追ってくる危険に対して対象動物が逃げ始める距離(接近可能距離,FID)がある。今回,農作物被害を起こすニホンザルのFIDを検討した。三重県名張市と奈良県宇陀市に生息するニホンザル一群(NB群)を対象とした。FIDの測定にはレーザー距離計を用いた。調査期間中にNB群が利用したのは6集落であった。6集落で取られていた追い払い対策は,ロケット花火,銃器,あるいはその両方とほぼなしの4種類であった。FIDを260回計測した。コドモ20.79,メス15.75,アカンボ持ちメス20.43,オス12.86mであった。コドモとアカンボ持ちメスは長いFIDを示した。殆ど対策をしない集落は他の5集落に対して短いFIDを示した。地域住民によるロケット花火を使った追い払い対策も積極的に行えば,銃器を使った追い払い対策と同程度に成体のサルに人間に対する警戒心を与えることが出来ると考えられる。