抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,トヨタ生産方式における「かんばん方式」の概念に基づいた引っ張り型生産指示方式の数理計画モデルを対象として,数理計画ソフトウェアを用いた解法について論じたものである。整数計画問題を解くための数理計画ソトウェアとして,現在,分枝限定法と切除平面法を組み合わせた手法である分枝カット法が多く採用されている。これは,現在最も注目されているアプローチの一つであり,1990年代以降,求解性能の向上は驚くべきもの(3500倍)があり,問題解決のためのアプローチとして大きな期待が寄せられている。このような観点から,本稿では,整数計画問題に定式化される引っ張り型生産指示方式の数理計画モデルを対象として,数値計算を通して数理計画ソフトウェアの求解性能の向上を示すとともに,近年,実装されるようになった並列処理機能およびチューニング機能の効果について,計算結果から得られた知見を述べた。またFICO Xpressの計算結果に加え,今回初めて使用したGurobi Optimizerによる計算結果も紹介した。ソルバーの求解性能の向上,そしてモデル記述言語とチユーニングツールに代表されるツール群それぞれの機能充実により,問題解決のための数理計画法によるアプローチには,今後益々大きな期待が寄せられることをあらためて実感した。