抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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有用材・良質材生産を効率的に行うため,落葉広葉樹二次林の更新特性や成育を把握し,また針葉樹人工林の保育方法を確立するための研究を行った。天然生資源の持続的利用を考えるため,バット材として利用されているアオダモについて種子発芽特性を明らかにした。また,良質の広葉樹材として利用価値の高いウダイカンバ二次林について,林分成長特性を明らかにした。更に低密度植栽に適しているグイマツ雑種F
1の新しい低密度植栽技術の検討を行った。アオダモ種子の発芽特性を解明する目的で実験を行った結果,果実の発芽適温は20°Cで,果皮は物理的な発芽抑制原因であることがわかった。また種子休眠の程度は弱いと考えられた。北海道におけるアオダモの分布域では,種子散布期の気温が20°Cを上回る機会は少ないため,弱い休眠でも秋の誤発芽を防止できると考えられた。実生と同時期に発生した萌芽幹は,実生よりも初期成長量や生残率が高い傾向にあり,萌芽幹はアオダモの天然更新において重要な位置を占めると考えられた。約30年生のウダイカンバ二次林において間伐を行った後11年間調査を行い,成長量や葉群構造の変化を記述し,変化の要因を明らかにした。年間の総落葉量と,総落葉量に対する夏葉の割合は,林分の発達程度や間伐強度,食葉性昆虫の大発生によって変化した。春葉は夏葉より粗成長量に対する貢献が大きいことが示唆された。森林の生産性を評価したり調節したりする場合,樹冠の生物季節学的構成を考慮する必要があることがわかった。カラマツよりも通直性が高いとされるグイマツ雑種F
1の低密度植栽地で,11年生の個体に枝打ち試験を行った。地上高4mまでの強度枝打ち処理を行った場合,個体の成長速度は一時的に低下したが4年後には回復した。強度枝打ちによる後生枝発生は材質の低下を招くほどではなかったが,枝打ち後の林内の相対光量子束密度(rPPFD)を20%以下に抑えることが推奨される。(著者抄録)