UMLアクティビティ図は複数のオブジェクト間の相互作用を含むプロセスの進行を体系的に記述する。一方,UMLステートマシン図は個々のオブジェクトの振る舞いを状態遷移に基づいて記述する。従ってこれら二つの図の間には,全体-部分(Whole and Parts)の関係があり,互いに整合することが求められるがUML自体にこれを検証する機能はない。二つの図の間に不整合がある場合,開発されるシステムが矛盾を含むことになり,様々な問題を引き起こす恐れがある。本論文は,二つの図の間の整合性を状態に基づいて厳密に定義し,さらに二つの図をCPNという共通の表記法に変換することにより,この整合性の検証を正確に行うための手法を提案する。(著者抄録)