抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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放射性廃棄物の地下岩盤中への処分(地層処分)や地下帯水層中へのCO
2貯留および液化石油ガス(LPG)の長期地下備蓄などといった地下空間・地殻環境の長期利用プロジェクトにおいては,流体が移動する空隙としての透水性亀裂の長期的挙動を理解する必要がある。本論文では,結晶質岩盤中の亀裂の長期的挙動把握に関する現状を述べ,今後の可能性について論じた。古い岩体として白亜紀前期の栗橋花崗閃緑岩,白亜紀後期の土岐~苗木花崗閃緑岩体,非常に若い1Maの滝谷花崗閃緑岩および現在形成されつつある葛根田花崗岩などを例として,その亀裂形態と充填鉱物,亀裂周辺母岩の変質形態に着目し,それらの時空変遷についての考え方を論じた。その上で,結晶質岩盤中の亀裂構造について岩体形成に伴うモデルを示し,その長期的安定性に関する一つの考え方を提示した。また亀裂充填鉱物の形成プロセスと亀裂周辺岩盤(鉱物)の変質と元素移動との相間についても概略的に紹介し,岩体形成(冷却~固化~隆起)と亀裂形成,流体移動,水-岩石反応の統一概念モデルの表現を試みた。