抄録/ポイント：
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
干渉抑圧合成(Interference Rejection Combining:IRC)受信器は,複数の受信アンテナブランチを用いることによりセル間干渉を抑圧することが可能なため,他セル干渉の影響の大きいセル端ユーザスループットの改善に効果的である。IRC受信器は,高精度なチャネル推定及びセル間干渉成分を含む共分散行列推定結果を用いて最小平均二乗誤差(Minimum Mean Square Error:MMSE)規範に従う線形受信フィルタリングを行う。共分散行列の推定方法としては,受信した下りリンク参照信号(Reference Signal:RS)から接続セルのレプリカ信号を減算することにより,干渉雑音成分のみを含む共分散行列を高精度に推定する方法が提案されている。LTE/LTE-Advancedにおいて,セル固有RS(Cell-specific RS:CRS)を用いた送信モードを想定した場合,CRSはプリコーディング送信されないため,特にプリコーディング送信時のデータ信号と性質が異なる。この性質の違いにより,CRSのセル間衝突時には共分散行列の推定精度が影響を受ける。これは,IRC受信器が干渉となるデータ信号を抑圧するために,干渉雑音成分のみを含む共分散行列には干渉セルから到来するデータ信号の干渉信号成分を含む必要があるためである。本稿では,閉ループ型及び開ループ型MIMOシステムにおいて,CRSセル間衝突時にIRC受信器が受ける影響について検討する。送受信アンテナブランチ数を2とした評価結果より,特に閉ループ型において,CRSのセル間衝突時にスループット特性が劣化することを明らかにする。しかしながら,閉ループ型を想定した場合にCRSのセル間衝突が生じた場合においても,本稿におけるシミュレーション諸元を想定した際には,IRC受信器により,従来の最大比合成受信器と比較して20%以上のスループット特性改善効果が得られることを明らかにする。(著者抄録)
