抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,環境会計情報を活用して企業の環境活動を分析する方法を提案する。現在,企業の開示情報を外部から分析・評価するという立場からの定量的な環境経営分析は必ずしも進んでいるとは言えない。そこで,本研究では,個々の企業の過去の環境分野への投資と排出レベルの推移を考慮したモデル(すなわち,各社の現在の環境保全に向けた活動の進捗状況を表す環境経営ステージを考慮した環境経営分析モデル)を,理論的に構築し提案した。そして,このモデルを実際の企業に適用した結果,温暖化防止の分野で先端的に活動を行っていると考えられる,自動車業界を含む輸送用機器メーカーにおいてその適用可能性が高く,これらの企業では,単位活動当たり投資効率を見ることで,現在の環境経営ステージが把握可能となることを示した。さらに,得られたモデルの結果を活動量について調整することで,あらたな環境投資に対して環境経営ステージを考慮した投資効果予測値を簡易に算出できる可能性についても言及した。