抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
海洋生物のレジームシフトと関連した常磐沿岸水域の環境変化と魚類相の季節変動につき述べた。この水域は黒潮と親潮が交差する日本沿岸でも最も複雑な海流域で,水温と塩分のプロファイルから両海流の動きで水塊の性質が変動する。表層~中層の生物は極端に変動する環境にさらされていることを,1985年の福島県の漁獲統計から魚類相の月別変化より指摘した。沖合の黒潮勢力の増大と共にカツオの北上先端群が4月に到着し,5~7月に盛期となり,10月に漁期が終了するが,9~11月がサンマ,10,11月がシロザケ,12,1月がマサバ,12~2月がマイワシの季節で,底生魚のマダラは8月を除いて周年漁獲され,表層で群れている仔魚期のコウナゴは4月が盛期で,成魚となって5,6月に漁獲される。日本周辺水域の温暖化は100年間で+1°C以上で,サンマは1965~1969年と1970~1975年に漁期が大きく変化し,開始とピークが1か月遅れた。地球温暖化によって常磐沿岸海域のサンマの南下が遅れていると示唆した。