抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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真核生物のゲノムでは,各蛋白質コーディング遺伝子は5’フランキング領域にユニークなプロモーターを持ち,プロモーターの方向は一般的には一方向にコントロールされる。この研究で著者らは,メダカでTATA結合蛋白質(tbp)とプロテアソームサブユニットC3(psmc3)遺伝子間の遺伝子間領域が両方向性プロモーターとして機能することをin vitroとin vivoで明らかにした。tbpとpsmc3遺伝子は719bpの遺伝子間領域を持つ相対の構造で配置されていた。脊椎動物におけるtbp座の周辺の遺伝子配置の比較分析も,それが棘鰭類系統に独特であることを証明した。メダカ線維芽細胞で転写活性はSV40プロモーターに対してそれぞれtbp方向で約1.2倍,psmc3方向で0.7倍であった。二重蛍光レポーターアッセイは,両方向性プロモーターがRNAポリメラーゼII伸長の崩壊なしに同時に2つの異なる遺伝子を発現することを直接示した。さらに,このプロモーターの配列欠失解析は,ETS結合部位が下流遺伝子の最大発現に必要であり,そのETS結合部位のみが魚から哺乳動物まで共有されていることを示唆した。哺乳動物では,CpG島との高い相関がこのような両方向性プロモーターで観察されたが,めだかのtbp/psmc3両方向性プロモーターではその相関は見られなかった。これらの結果は,魚の両方向性プロモーターの分子機構が哺乳動物とはどういうわけか異なっているが,ETS転写因子結合のためのシス作用要素は異なる遺伝子発現に必須であることを示唆する。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.