抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,持続的に再生可能な資源を用いたバイオマスエネルギーに期待が寄せられている。潜在的なバイオマスのポテンシャルは高いものの,収集,運搬,貯蔵のコストが高いことから,現状では未利用のバイオマスが多い。一方で,地域でのバイオマスの循環を考える場合,農村を含有した都市圏を考える必要がある。加えて,バイオマスの利活用には,集落・地区・市町村・広域における集団内及び集団間のネットワークが必要である。これらのネットワークは,地域に潜在的にある人々の信頼関係やネットワーク構造を示すソーシャル・キャピタル(SC)と考えられている。そこで本研究では,SCと未利用バイオマスを地域資源管理ポテンシャルとし,これらを考慮したバイオマスエネルギー管理の効率性評価を行うことを目的とする。研究対象とするバイオマスエネルギーは,農畜産系,林産系,廃棄物系の3種である。研究手法は,都市間力を用いた47都市圏(日本)の構築及び包絡分析法(DEA)を用いたバイオマスエネルギー管理の効率性評価である。インプットは,地域資源管理ポテンシャル要因を含む管理要因とし,アウトプットはバイオマスエネルギー供給水準とした。結果として,農畜産系バイオマスエネルギー供給水準に対しては,面積(1300km
2以下)や人口密度(1000人/km
2以下)と平均に比べ低い都市圏で地域資源管理ポテンシャルの影響が高くなることが計測された。林産系バイオマスエネルギー供給水準に対しては,人口密度が4000人/km
2以上と高い都市圏でSCの影響が高くなることが計測された。廃棄物エネルギー供給水準に対しては,面積(1200km
2以下)や人口密度(800人/km
2以下)の低い都市圏で地域資源管理ポテンシャルの影響が高くなることが計測された。最後に,地域資源管理ポテンシャルを活用した効率的なバイオマスエネルギー管理について提言をまとめた。(著者抄録)