抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,テレビ東京における放送番組の制作・配信技術の省エネ化活動について紹介する。東日本大震災以降,テレビ東京では積極的にスタジオ照明の省電力化に取組んできた。そして,既存の大型スタジオでは消費電力の低い電球への交換や,照明機材の照度を上げて効率化を図るために,劣化したミラーやテフロンシートを交換し,大幅な省電力化をはかった。しかし,テレビ局は,より高品質で高画質な映像を視聴者に届ける責務を負っている。そのために,省エネと照明環境の質的向上を同時に実現した,新しい多目的スペース「7スタ」を完成したので紹介する。7スタの照明はLED照明機材を中心としており,大幅な消費電力の削減を実現している。また,スペースの構造を充分に配慮した照明設計により映像表現の質的向上を図っている。省エネに関しては,7スタの照明・電飾機材は,すべてLED照明機材と蛍光灯を使用しており,非常に省電力で地球にやさしいECOスペースである。現在,7スタで使用している照明機材の消費電力の合計は8kW程度である.これは,ハロゲン電球と比較した場合,1/7程度の消費電力になり,年間,約57,600kWh以上もの消費電力を削減することになる。また,紫外線や熱の放射がほとんどないため,被照射物の退色や劣化が少なく,発熱量が少ないため空調設備の運転を軽減できる効果も期待できる。照明環境の質的向上に関しては,LED照明機材や蛍光灯は高演色性の機材を使用し,各機材単位で調光および演出制御が可能となっている。そのため,大がかりな調光ユニットの必要はなく,非常にコンパクトな照明制御のシステムとなる.本システムは,信号線の配線作業やバックアップシステムの構築を簡略化するとともに,将来的な照明設計の変更および再構築など,制御システムの拡張に対して柔軟な対応が可能である。