抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日常目にする星のまたたきや陽炎は,光が直進しないために,光が直進しないために,景色や物体がぼやけて見える現象である。光が直進しないのは大気の屈折率の揺らぎのためでである。大気の屈折率の揺らぎによる電波の散乱を利用して風速を測定するデータを大気レーダーと呼ぶ。生物圏研究所では,高度1kmから数100kmの広い高度範囲にわたる大気計測を行うため,アンテナ直径約100mの大型大気レーダーを開発し,さらに大気レーダーを用いて大気現象を解明してきた。インドネシアは,地球規模の大気現象の把握及び予測に重要であるにもかかわらず,大気観測は十分に実施されていない。赤道大気レーダー(EAR)は,2001年に生物圏研究所が,インドネシア・スマトラ島に設置した大型大気レーダーである。EARは,運用開始から10年の間に,対流圏における降水や大気重力波,大気上層の電離圏におけるプラズマバブルなど,従来は未知であった赤道大気中の諸問題を次々に解明してきた。しかし,まだまだ取り組むべき課題があり,この10年間に飛躍的に発展した気象モデル(地球シミュレータ)や観測手段(人工衛星搭載レーダ)とも連携しながら,さらに熱帯気象における課題を解明していく必要がある。