抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,公営地下鉄と大手私鉄の効率性に差があるかどうかを検証することを目的としている。一般的には公営企業の方が民営企業よりも非効率的であると言われている。しかし,実証分析では必ずしもそのような結果が常に示されているわけではない。そこで本研究ではわが国の公営地下鉄と大手私鉄のデータを用いて,公営企業と民営企業の効率性の差を検証することとした。公営地下鉄も大手私鉄もともに都市圏を中心に事業が行われている点では共通しているため,比較の対象として適当と考えられるからである。分析方法としては確率的フロンティア費用関数を用いている。推定に使用したデータは,公営地下鉄と大手私鉄の24事業者について1988年度から2008年度までの21年間のパネルデータである。推定モデルはBattese and Coelli(1993,1995)の提案した確率的フロンティア費用関数と非効率性の要因を同時に推定するものを適用しており,非効率性の要因としてトンネルの長さが路線長に占める割合,公営ダミーを考えている。推定の結果によれば,非効率性の要因を含んだ確率的フロンティア費用関数が支持された。また,公営ダミーは統計的に有意ではなく,本研究の結果からは公営地下鉄が大手私鉄よりも非効率であることは示されなかった。(著者抄録)