抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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フラワーランドスケープとは,花が風景の中で一定のボリュームや連続性を持つことで,景観を構成する要素として機能し,またふるさと性を与えてくれる原風景を形成することもある,その土地の風土に根ざした花のつくり出す風景と定義する。本研究では,農村のフラワーランドスケープの構成,植栽されている植物の種類と栽培手法を調査分析することで,長年にわたって維持されてきた農村のフラワーランドスケープの持続可能性を明らかにするものである。調査対象集落は近畿地方の4つの農家集落である。調査の結果,春から秋にかけて農村を彩るフラワーランドスケープは,全体の草種の80%に及ぶ宿根草やこぼれ種で増殖する草種が選択的に残され,またそれらの草種の特性を生かす植物の生態に即した栽培により長年にわたる景観の持続性が保たれていること,植物の生育に熟知し,必要最小限の的確なメンテナンスが施せる農家ならではの方法によるローメンテナンスとローコストで維持管理していることから,その持続可能性を明らかにすることができた。このような知恵を公共公園やまちづくりに生かすことで,フラワーランドスケープの持続可能性を広範囲に応用することができると考えられる。