抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高い線量の放射線を一度または短期間に全身に受けると,皮膚の火傷,白血球の減少などの身体的病症が受ける線量に応じて起こる。症状の出る最低の線量(しいき線量)があり,しいき線量のある身体的影響を確定的影響または組織反応と呼ぶ。確定的影響の多くは1Gy以上の被曝で確実に発症するが,福島原子力事故では1Gy以上の被曝を受けた作業員はおらず,汚染区域の住民に,このような放射線による身体的影響が起こるとは考えられない。原爆被爆者の長年にわたる健康影響調査により,100~150mSv以上被曝した被爆者では,がんの発生頻度が線量に比例して増加するのが統計学的に明らかにされた。100mSv以下の低線量では,自然の発ガンの地域差や人種差のなかに埋もれて検出されない程度の,極めて小さなリスクと考えられる。1928年に発足したICRPは,放射線防護の理念と原則を勧告してきた。福島第一原子力発電所事故では,事故時及び事故から回復期の公衆の被曝についての最新の勧告等を参考にして基準が策定された。