抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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震災により,NHKの各地の放送会館や放送所の設備に被害が数多く発生した。特に問題となったのが,長時間にわたる電源供給の停止であり,東北・関東地方の8つの放送会館,テレビおよびラジオ放送所の多数が一時停電した。バックアップ電源で放送を継続することができた場合も,自家発電装置の燃料確保が大きな課題となった。いくつかの無人のロボットカメラも津波による停電のため,地震発生後間もなく使用できなくなった。このように,東日本大震災はこれまでの想定を大幅に上回るものであった。今回の大震災を受けて,首都直下地震や東海・東南海・南海地震など,今後いかなる大災害が発生しても,NHKの使命である国民の生命・財産を守るための放送継続と報道・取材業務遂行に必要な放送設備の機能強化を図っていく。現在想定している主な取組みは,以下のとおりである。1)首都直下地震,首都圏大停電に備える機能強化:首都直下地震や首都圏大停電により東京渋谷の放送センターが機能停止した場合を想定し,そのバックアップとして大阪放送局から衛星放送で一定期間,全国向けの放送を実施するための設備を整備する。あわせて,首都圏周辺における取材・伝送機能を強化する。2)全国的な取材伝送機能強化:東海・東南海・南海地震を中心とした大災害を想定し,全国的な取材・伝送機能の強化を行う.具体的には,地震のゆれや津波をとらえるロボットカメラの増設やロボットカメラの電源機能の強化,取材ヘリコプタからの映像を受信する設備の増設,衛星中継車の機能強化,連絡系統の強化などを実施する。3)放送会館の電源強化:長時間の停電を想定し,放送会館の自家発電装置用の燃料タンクの容量増や簡易自家発電設備の設置,燃料残量の管理システムの構築など,放送会館の機能維持を図る。4)電波確保:放送所の電源強化やテレビ・ラジオのプログラム回線断時バックアップ機能の整備,放送所設備の監視・制御機能の強化など,災害時でも放送を確保・継続できるよう対策を図る。これらの放送設備の機能強化は「平成24~26年度NHK経営計画」の重点目標に掲げて進めている。