抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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福島原発事故の社会経済的影響は広範かつ多様で,避難住民に事故被害の深刻さが集中的に現れている。政府の指示による住民避難に着目して,その被害実態を明らかにした。まずアンケート調査を通じて避難住民の意識を把握し,次に双葉郡浪江町の避難住民に対する聞取り調査に基づいて,避難者の受けた被害について考察した。また,両調査を通じて被害実態を立体的に明示した。地域全体の面的避難が長期化し,ふるさとの喪失という被害が焦点化/構造化している。地域を構成する諸要素が分断・解体され,住民が諸要素の間で理不尽な選択を迫られている。地域経済学における地域とは,一定の領域に自然環境・経済・文化という複数の要素が一体となって存在し,人々の生産・生活の場として機能することを意味する。社会・政治的機能に容易にアクセスするには役場移転先の近傍に居住すべきだが,経済(雇用機会など)の観点からは異なる。避難対象区域再編の動向も踏まえながら,住民意識と被害の動態的変化を解明する必要がある。