抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1976年に著者は,Brown運動に対するEinsteinの線形理論を非線形で不安定な場合に拡張することにより,不安定状態からの秩序形成のスケーリング理論を開発した。最初の段階で指数型増大が支配的であることを示した。つまり初期の微視ゆらぎが急速に増大し,スケーリング体制における開始時間の周りの巨視秩序に至る。その際,関与する系の非線形性が,系を安定化するために本質的役割を果たす。著者は巨視秩序形成への,初期ゆらぎとランダム雑音と非線形性の相乗効果(シナーギズム)を見いだした。単一のマクロ変数,または秩序パラメータ,のスケーリング理論を,無限個の秩序パラメータに拡張した。エントロピー変化,またはエントロピー生成,を新しい観点,つまり非平衡密度行列の対称性の観点から,von Neumann方程式を用いて論じた。また一般の輸送現象に対するエントロピー生成の時間導関数を与え,この公式より,輸送現象の線形応答スキーム内で,最小エントロピー生成の原理が微視的に出る。さらにここでは,抵抗が電流に依存する非線形電気回路のような,非線形輸送に対する最小散逸の新原理を提案した。(翻訳著者抄録)