抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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RNAポリメラーゼIII(PolIII)は3つある真核生物転写複合体の1つであり,転移RNAと一定数の他の低分子RNAの産生に関与する複合体として定義されている。tRNA遺伝子(tDNA)でのPolIII転写には,2つの転写因子複合体(TFIIIC,TFIIIB)の結合が必要である。最近の知見から,ヌクレオソーム位置決定,広域的ゲノムと核内の組織化に及ぶ影響,RNAポリメラーゼII(PolII)転写に及ぶ直接的影響など,他の様々な核過程においてPolIII転写系が大きな役割を果たすことが指摘されている。これらの影響はおそらく,PolII転写因子とクロマチン酵素などの他のクロマチン蛋白質ホストの動員により仲介されている。TFIIIC以外の部位(ETC部位)とは,PolIII複合体の休止なしにTFIIICが結合する染色体位置であり,結合TFIIIC単独でも付加的機能を仲介することができる。本論文においてPolIII系の”転写以外の影響”と呼ばれるものを総説し,TFIIIC転写因子は,細胞分裂時のクロマチン状態を確立,維持,区分するため,または遺伝子発現パターンを変化するためにクロマチン内で安定的に結合した,広域的”しおり”として作用することを示唆するモデルを提示した。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.