抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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メープルシロップ尿症(MSUD)は分岐鎖αケト酸デヒドロゲナーゼ(BCKD)複合体サブユニットの変異により引起される常染色体劣性代謝疾患である。BCKDは4つの核遺伝子(BCKDHA,BCKDHB,DBT,DLD)によりコードされるミトコンドリア複合体であり,分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝に関与する。本研究において著者等は古典型MSUDの中国人新生児においてBCKDHA,BCKDHB,DBT遺伝子のDNA配列変異を調べ,分子モデリングにより関連する立体配座変化を予測した。著者等は過去に報告されていない2つのBCKDHB遺伝子変異[エクソン5中のR170H(c.509G>A)とエクソン9中のQ346R(c.1037A>G)]を同定した。2つの新規ミスセンス変異のin silico解析により,R170H-β変異はY195-β′とS206-αの両方により空間的配向を変化させ,これによりそれぞれαサブユニットの不安定なβ-β′会合と不安定なK
+イオン結合ループを生ずることが明らかとなった;Q346R変異はQ346-βとI357-β′間の空間的立体配座を破壊し,これによりβ-β′サブユニットの親和性が低下することが予想された。以上の結果より,R170-βとQ346-βはE1成分活性に不可欠であることが示された。これら2つの新規変異であるR170HとQ346Rにより古典型MSUD患者に臨床症状が生じた。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.