抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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ミオスタチン(MSTN)はシグナル伝達蛋白質のTGF-βスーパーファミリーの一員であり,筋肉の成長と脂質代謝に重要な役割を果たす。中国北部漢民族被験者における肥満とミオスタチン遺伝子多型の関係を調査した。中国北部漢民族の297名の健康な被験者と606名の過体重/肥満の被験者がそれぞれ健康対照群と過体重/肥満群として選ばれた。ミオスタチン遺伝子SNPのスクリーニングと一人一人の遺伝子型を明らかにするために,DNA配列決定,制限断片長多型(RFLP)およびTaqMan(R)プローブの方法が用いられた。DNA配列決定によってMSTN遺伝子に全部で11のSNPが同定され,rs35781413(G/A),rs3791783(A/G)およびrs3791782(A/G)を含む3つのSNPが全903サンプルのさらなる研究のために選ばれた。その結果から,過体重/肥満患者は正常体重の被験者よりもrs3791783 A/G SNPのAA遺伝子型の頻度が有意に高く(56.4%対50.8%),GG遺伝子型は有意に低い(3.2%対6.7%)ことが分かった。劣性遺伝モデル(AA+AG対GG)のロジスティック回帰分析はAA+AG対GGのオッズ比が1.985(95% CI 1.078-3.643; P=0.029)であることを実証した。rs3791783の3つの遺伝子型の中で,AA遺伝子型を持つ被験者はGG遺伝子型を持つ被験者よりもはるかに高い体重,BMI,胴回り,TC,TGおよびLDL-Cを示す。筆者らのデータはミオスタチン遺伝子の遺伝的変異rs3791783 A/Gが肥満と関係することを初めて示唆する。rs3791783 SNPにおけるA対立遺伝子保有者はG対立遺伝子保有者に比して肥満になりやすい。rs3791783 SNP部位にAA遺伝子型を持つ団体保険加入者はGG遺伝子型を持つそれらの人よりも過体重あるいは肥満になる危険性が高いだろう。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.
