抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水中粒子の体積散乱関数(VSF)は,形状と内部構造だけでなく,粒子のサイズ分布と組成に依存する。したがって,VSFの逆問題で粒子分布に関する情報が導出される。市販LISST装置は,近前方角度で散乱を評価し,約1μm以上の粒子のバルクサイズ分布を推定する。全角度範囲(0°-180°)での散乱を用いて,最近改良されたVSF逆変換法[X.Zhang,M.Twardowski,M.Lewis,Appl.Opt.50,1240(2011)]で,粒子分集団内の粒子を特徴づけて,そのユニークなサイズ分布と組成で記述した。三つの沿岸水(すなわち,Chesapeake湾,Mobile湾,Monterey湾)において,Multispectral Volume Scattering MeterとLISSTを同時に利用することで,これらの二つの異なる方法から導出されるサイズ分布を比較できた。VSF逆変換法で得られた粒子の組成やサブミクロンメータ粒子の結果を間接的に検証できた。1μmから100μmの粒径において,濃度は10桁以上変化することが分かった。二つの方法の結果は良く一致し,全サイズ分布の相対差分は10%未満であることが判明した。逆問題の結果でも,VSF形状のスペクトル変化を再現したが,これらのスペクトル変化は観測されなかった。波長を短くすると,後方散乱が増加するのは,サブミクロン粒子が後方散乱に強く影響するためであると説明された。植物プランクトンの種類が多様な場合,細胞サイズと細胞内クロロフィルa[Chl]の濃度の測定に基づいて,反転分集団で[Chl]を推定し,植物プランクトンの屈折率と平均サイズを確認できた。推定された[Chl]が,強度において蛍光ベース推定値と一致した。したがって,観測ステーションで測定された増殖事象が再現された。(翻訳著者抄録)