抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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複数のパラメーターをもつシステムのテストを設計する際に,パラメーター値の組み合わせ爆発を回避し,少ない数のテストケースで十分なテストを行うための手法として,ペアワイズテストや直交表などが利用されている。このような手法を導入する際の障壁の一つとして,既存のテストケースと紐付けられた情報(要件やバグレポートとの関連付けなど)の存在がある。新しい手法によってこれまでとまったく異なるテストケースが生成されると,これらの紐付けられた情報が利用できなくなってしまう。この問題を回避するために既存のテストケースを保持したまま新しい手法でテストケースを追加すると,テストケース数が増加してしまう。本論文では,テストケース数の増加を最小限に抑えつつ,既存のテストケースと同一のものをなるべく多く含んだテスト集合を生成する手法を紹介する。この手法では,ペアワイズテストのうち貪欲法を用いて順次テストケースを生成する手法を拡張し,入力として与えたテスト集合の一部を出力するテスト集合に含めるようにした。また,提案手法が出力するテスト集合の性質を調べるための評価実験として,20種類のパラメーターが各10種類の値を取るシステムにおいて,ランダムに生成したテスト集合を入力として与えて評価した。このシステムに対して従来手法が出力するテスト集合のサイズ199個に対し,ランダムに生成した400個のテストケースを入力として提案手法を適用した場合,生成されるテストケース数は26%増加して252個となり,そのうち71%にあたる180個が入力と同一になった。また,同じ条件でテストケース数の増加を10%に抑えて219個とした場合は,入力と同一のテストケースは50%にあたる109個だった。(著者抄録)