抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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もっと安価な装置で,しかも簡便に,迅速に,的確にナノ粒子スラリーにおける粒子分散・凝集状態を評価できないかを検討してきた。そこで注目したのは「浸透圧」である。ナノ粒子スラリーはミクロン粒子スラリーと同じ体積(もしくは重量)濃度であっても,粒子個数で考えると,ナノ粒子スラリーの方が圧倒的にたくさんの数の粒子が存在する。したがって,ナノ粒子スラリーではいわゆる「溶液」と同じように浸透圧が発生する。さらに希薄な理想溶液の浸透圧を表すvan’tHoffの式が示すように,溶液の浸透圧は溶質分子のモル数に比例することから考えると,ナノ粒子スラリーの場合その浸透圧は,粒子個数濃度に強く依存すると考えられる。すなわち,スラリー中の粒子が凝集している場合は,分散している場合に比べ見かけの粒子個数濃度が小さいため,観測される浸透圧も小さくなり,浸透圧の大小からナノ粒子の分散・凝集状態が定量,平価できるのではないかと考えたわけである。以ドでは,この浸透圧を利用したナノ粒子分散・凝集評価の可能性について検証した結果を,いくつかの実験データを交えて紹介した。ナノ粒子スラリーの浸透圧測定,浸透圧と動的光散乱法との相関,既存の分散・凝集評価方法との比較かどについて解説した