抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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化学検出システムにおける素子サイズの縮小と応答時間の短縮を目指して,ナノ分光器と操舵輪形の芯を持つフォトニック結晶ファイバ(SW-PCF)を組み合わせた装置の開発に関する研究結果を報告する。分光器のサイズを貨幣の大きさまで縮小することができるナノサイズの半導体チップを採用した。採用した分光器チップのサイズは,10mm×15mm×0.5mである。SW-PCFから成る検出システムを用いた吸収スペクトルを,ファイバの相互作用長と材料の体積の関数として測定した。SW-PCFで測定したスペクトルは,これまでに得られている参照スペクトルと良く一致することが分かった。採用したSW-PCFの芯の半径は3.9μm,外径は132.5μmであった。ファイバ長が5cmと50cmのSW-PCFを,薄いナノサイズのチップの表面と結合した。中心波長が635nmのレーザ光を,SW-PCFの断面に入射させた。イメージ解析のために,ナノサイズのチップによって生み出された回折パターンを対物レンズとCCDカメラで捉えた。解析されたイメージから導出された強いパターンの位置から,対象とする試料に関する吸収特性のスペクトル成分は,参照スペクトルと非常に良く一致することが分かった。ナノサイズの分光器のスペクトル分解能は0.1nm以下で,非常に複雑なスペクトル特性を有する物質を検出できるが,回折パターンが測定不可能である水で充たされた構造では大幅な損失を示すことが分かった。水の充たされたSW-PCFからの透過信号を巧く処理するには,SW-PCFとチップとの更に有効な結合が必要である。