抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,強度な間伐や列状間伐が実施されるようになっているが,こうした間伐方法は,従来の間伐に比べて害虫による加害を受けやすくなることが懸念される。そこで,西日本の主要な材質劣化害虫であるキバチ類について,強度と方法の異なる間伐を行ったヒノキ人工林で成虫発生量を比較検討した。高知県内の二つの試験地で間伐後,3年間,誘引トラップを用いてキバチ類の成虫量を調べた。3種のキバチが捕獲され,このうちニホンキバチがいずれの試験地でも,もっとも個体数が多かった。奥大野試験地では,間伐1年後までのニホンキバチの個体数は,間伐率が高いほど有意に多かった。ニホンキバチの個体数は列状間伐と点状間伐とで違いはみられなかった。一方,辛川試験地では,ニホンキバチは間伐1年後までに間伐区と対照区とで差はなく,対照区ではニホンキバチが年とともに増加した。これらの結果から,間伐率が高いとニホンキバチが多く発生すること,列状間伐と点状間伐とでニホンキバチの発生量に違いは見られないことが推測されるとともに,冬期間伐では無間伐よりもニホンキバチの成虫数を抑制できる可能性が示された。(著者抄録)