抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年8月~12月にかけタイを襲った観測史上最大の洪水について調査し,チャオプラヤ川の概要,次の洪水を防ぐための課題および対策などについて報告した。タイ全国で,死者752名,行方不明者3名,農地はピークで18291km
2の浸水被害を受け,日系企業449社を含む7工業団地804企業が浸水被害に遭った。チャオプラヤ川の流域面積は約16万km
2あり,河川勾配は1/10000~1/15000と緩やかで,数多くの蛇行により洪水時には堆砂で通水断面が縮小する。タイの治水対策は,チャオプラヤ川上流域の洪水は貯水し,下流域のものは右岸側のバンコク中心部や工業団地のない部分に氾濫面積を拡大させて氾濫水位を低下させる方法をとってきた。検討の結果,上流のダムの洪水調整能力をはるかに超える今回の降雨量を考慮すると,ダム,河川拡幅,などの整備を含む抜本的な治水対策の見直しが望まれる。