抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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簡易な材質診断法である横打撃共振法によって,松江城山公園のクロマツ240本について樹幹内部の腐朽・空洞面積率を推定した。本法の診断指標は樹幹直径Dと樹幹打撃音の共振周波数F
rの積(D・F
r値)である。あらかじめ(1)クロマツ健全木30本について本法の測定と伐採調査を行い,診断基準となる健全木のD・F
r値の平均値と範囲を明らかにした。(2)同健全木の円板を用いて空洞面積率とD・F
r値の減少率の関係を明らかにした。本公園の調査木について地上高1mで本法の測定を行い,(1)(2)の情報に基づき推定腐朽・空洞面積率R
ivを求めた。この結果,R
ivが1~30%は40本(17%),30~59%は6本(3%)であった。本法の精度を評価するため,27本についてレジストグラフを使用した貫入抵抗法によって推定腐朽・空洞面積率R
rgを求め,3本について伐採して地上高ごとに実測腐朽・空洞面積R
amを計測した。R
ivはR
rg(r=0.88)とR
am(r=0.80)の両者との間に高い正の相関が認められたことから,本法によってクロマツ樹幹内部の腐朽・空洞面積率を推定できることが示された。(著者抄録)