抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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人工知能研究は1980年代以降知的情報処理タスクを細分化し,タスクごとに定量的な性能評価指標を与えることで着実に進展したが,次のような疑問もある。本論文では,1)総合的知的タスク全体を被覆可能か,2)総合的知的タスクの一部としての利用可能性,3)細分化による問題の不自然さ,4)統合の技術的困難さといった問題を研究の俎上に載せるために,総合的知的タスクに取り組む国立情報学研究所の「人工頭脳プロジェクト」を解説した。本プロジェクトではよく推敲されて読みやすく,整っているが図表・イラスト・写真など非言語データも含む多様な入力データとしての入試問題を知的処理課題とし,10年間で東大合格レベルの達成を目指している。数学・物理・化学,英語・国語・歴史,倫理・政経・地理,地学・生物といった質の異なる多数の科目に必要な知的処理を切り分け,常識・世界知識による推論を含めて効率よく各モジュールを蓄積して統合システムを組み立てる必要がある。具体的には,i)End-to-endの総合タスクに対する系統的解決,ii)入出力系とソルバー群の接続,iii)異質なモジュール間での相互運用・再利用可能な知識表現系の再設計,iv)相互運用性の向上,要素技術の組合せによる問題解決,常識の理解と要素技術の組合せへの分解といった高度な知的処理の実現を課題として挙げた。