抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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製紙業界は従来から省エネルギーを推進してきた。その中で,抄紙機のエアーシステムは紙・板紙の乾燥プロセスにおいて,エネルギー消費に大きな影響を与えている。特にドライヤ工程で紙を乾燥させたエネルギーは,蒸発水分として多量に排気エアーに含まれているので,そのエネルギーを回収するエアーシステムは重要な役割を果たす。抄紙機工程内の温水,温風やマシン建屋内の暖房にも一次エネルギーを使用することなく,熱回収するだけで必要なエネルギーを得ることができる。このように,全ての紙・板紙抄紙機には,ドライヤを中心に潜在した省エネルギーの要素があると言え,エアーシステムの省エネルギーは大きな設備投資を行うことなく,抄紙機の運転を最適化することで成果を期待できる。一方,短期的な省エネルギーに目を向け過ぎて,抄紙機及び建屋内の環境を疎かにするケースが,特に日本には多く見られる。例えば,建屋換気の給排気ファンの運転を停止することは,それ自体はエネルギー消費を抑制することになるが,建屋内の高温高湿をまねき,作業環境の悪化と同時に制御機器の短寿命や操業効率の低下,建屋の腐食といった問題を加速させる。このように長期的に見た場合,気付かない内に大きな損失となっていることがある。本稿では,紙・板紙マシンにおけるエアーシステムという観点から,省エネルギーと環境改善について,Metso社の最新のエアーシステム技術を紹介する。(著者抄録)