文献

J-GLOBAL ID：201202285556142450   整理番号：12A1337407

化学の目でみた考古学・文化財学(2)紅白梅図屏風の金箔はほんものか

著者 (1件)： 中條利一郎 (文化財研 東京文化財研)
資料名： 現代化学  (Chemistry Today)
号： 499  ページ： 46-48  発行年： 2012年10月01日 
JST資料番号： L4439A  ISSN： 0386-961X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 蛍光X線のエネルギーは原子ごとに異なっているため,蛍光X線スペクトルを測定すると原子の種類が同定できる。静岡県熱海市のMOA美術館所蔵の尾形光琳筆「紅白梅図屏風」は左右2隻から成り,右隻の右上及び左隻の左上に金箔と思われるものが置かれている。2004年に蛍光X線スペクトルを測定したところ,Auのピーク強度が小さいので,Auは主成分でないと報告された。金泥(金色の絵の具の総称)や,黄色系の染料で金箔らしく見せているのではないかと判断された。しかし,2010年にやはり蛍光X線スペクトルが測定され,金色の部分は,Auでできており,金箔であると報告された。文化財などでは,測定に好都合なように手を加えることができない,測定装置が異なる,などの理由があるかもしれないが,異なる結果が得られた。新しいことでは,正しい結果が一つだけ得られるとは限らない。

シソーラス用語： 考古学 ,  *文化 ,  計測 ,  *蛍光X線分析 ,  非破壊測定 ,  非接触測定 ,  *絵画 ,  美術 ,  *箔 ,  金 ,  アーチファクト
準シソーラス用語： 文化財 ,  文化財計測 ,  *紅白梅図屏風 ,  美術品 ,  *金箔 ,  国宝

分類 (3件)： 金属,合金の物理分析  (CC03040V) ,  科学技術一般  (AA01000H) ,  インテリアデザイン,家具  (RB05080N)

タイトルに関連する用語 (6件)： 化学 ,  考古学 ,  文化財 ,  梅 ,  屏風 ,  金箔