抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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釜炒り茶は,茶葉を釜で炒ることにより酸化酵素を不活性化させて作る緑茶で,主に九州地方で生産されている。その特徴は,釜香と呼ばれる独特の芳ばしい香りとすっきりとした爽快な味わいで,非常に澄んだ黄金色の水色を持つ。釜炒り茶製茶工程の処理能力は煎茶と比較すると低いとされている。これに対して機械開発等の取り組みも行われているが,根本的な解決には至っていない。本研究では,釜炒り茶製茶機械の一つである水乾機の熱の流れと効率を測定・計算して得た知見を報告した。実験には50K回分式水乾機を使用し,燃料にはLPGを用いガス管で自作したバーナーを用いて加熱した。水乾機における熱の流れについては,入熱の大部分を燃料の発熱量が占めていた。出熱としては,水乾燥,締炒の両工程とも煙突排ガスの保有熱および機壁からの放熱が大きく,この二つで出熱全体の6割を占めていた。煙突からは,温度が高く湿度が低い,すなわち乾燥能力の高いガスがそのまま排出されており,この熱を回収するもしくは他の工程で利用するなどの有効活用技術の開発が必要である。得られた熱効率は,差が小さいながらも締炒工程のほうが水乾工程よりも有意に高い結果となった。また,実験範囲では作業条件の違いによる熱効率への影響は見られなかった。