抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿の目的は,イギリス帝国林学が形成されるプロセスを検証するとともに,その特質を明らかにすることである。まず,イギリス帝国の中で最も早く確立し,他の多くの植民地に影響を与えたインドの森林管理制度の展開を概観し,大陸ヨーロッパ林学との関係を考察した。20世紀初頭になると,インド森林管理官は熱帯植民地に特有の環境条件や問題に焦点を当て,実証的に研究する林学を追求しはじめた。例えばインド北東部では,地域住民が行ってきた火入れがサラノキの更新に果たす役割が新たに認識されるようになり,タウンヤが開始された。第一次世界大戦後,帝国内の森林資源を持続的かつ効率的に管理・活用するために帝国林学の形成が提唱されるようになり,帝国林学会議が開催された。この会議においてインド北東部やその他の植民地の多様な経験が交換され,共有され,相互に作用することで,従来のヨーロッパ林学には見られなかった火の利用やアグロフォレストリーという概念が生まれたと考えられる。(著者抄録)