抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究は,筆者らが主として化学工学論文集で公表してきた,バインダー乾燥偏析,材料温度変化法,乾燥特性モデルに関する諸研究の紹介と今後の展望を,「相関モデル」をキーワードとして,塗膜乾燥のモデル化に対する視点から試みたものである.相関モデルとは,塗膜乾燥における複雑現象に対する研究成果を,生産へ迅速にフィードバックする目的で,筆者らが最近提案したものである.ここでの相関とは,物質とエネルギー収支式に基づいた現象内変数の相互関係を意味している.移動メカニズムと移動物性値の全容が明確でなければ利用できない予測モデルに対して,相関モデルでは,収支を行う領域を適切に変えることで,移動物性値の一部(a)または全部(b)が,極端な場合は移動メカニズム(c)が不要となるため,研究成果の生産への迅速なフィードバックが可能となる.本研究では,(c)の例として湿り材料温度変化を用いて乾燥速度を推定する「材料温度変化法」,(a)と(b)の例として乾燥速度を用いて乾き材料内のバインダー偏析を推定する「バインダー乾燥偏析推定法」を紹介した.両方法ともに集中定数系モデルに基づいている.両方法を組み合わせることで材料温度変化データを用いたバインダー乾燥偏析の推定が期待できる.(著者抄録)