抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,建築技術の進歩とともに従来の高さを上回る500mを超える超高層ビルが計画されるようになり,その移動手段であるエレベーターで輸送能力向上のニーズが高まってきている。輸送能力を向上させるには,1つはエレベーターの速度を上げる,もう1つはエレベーターの積載量を増やすという2つの方法がある。三菱電機は,速度,積載量とも最大クラスの仕様で,超高層ビルにおける輸送能力向上のニーズに応える世界最高速1,080m/minエレベーター(上昇方向1,080m/min,下降方向600m/min)及びダブルデッキとしては世界最高速かつ世界最長昇降行程となるエレベーターの開発を行った。本稿では超高速エレベーター用の安全装置である非常止め装置,油入緩衝器及び調速機の開発と,その設計及び評価技術について述べる。(1)非常止め装置。高摩擦・低摩耗特性を持ち,かつ耐熱衝撃性に優れている制動片の開発を行うとともに,非常止め装置を上下2段に配置するデュプレックス形構造とし小型化を図った。(2)油入緩衝器。従来の単段式で構成した場合,緩衝器全高は約20mに達するため,プランジャを3段化することによって,約25%の小型化を達成した。(3)調速機。かごの上昇速度(1,080m/min)と下降速度(600m/min)が異なるため,かごの走行方向に応じて異常検出速度を機械的に切り換えられる新構造を採用した。(著者抄録)