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J-GLOBAL ID：201202291045795987   整理番号：12A1673916

無酸素銅の蟻の巣状腐食に対する耐食性

Corrosion Resistance of Oxygen Free Copper to Ant Nest Corrosion

著者 (1件)： 宮一普 (三菱電機 先端技総研)
資料名： 材料と環境  (Corrosion Engineering of Japan)
巻： 61  号： 11  ページ： 438-442  発行年： 2012年11月15日 
JST資料番号： F0006A  ISSN： 0917-0480  CODEN： ZAKAEP  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 冷凍空調機器の銅管に発生する局部腐食に,蟻の巣状腐食がある。原因物質はギ酸や酢酸などの有機酸である。冷凍空調機器の熱交換器および配管に関しては,リン脱酸銅が一般に使用される。このため,リン脱酸銅により蟻の巣状腐食の研究が行われてきた。わずかな例の無酸素銅で行った試験結果があり,リン脱酸銅とは腐食速度が異なっていた。本報告では蟻の巣状腐食に対する耐食性を,リン脱酸銅と無酸素銅で比較した。リン脱酸銅と無酸素銅の耐食性を比較した結果,無酸素銅の腐食速度が遅いことがわかった。リン脱酸銅の腐食断面をEPMA分析した結果,Pが酸化していることがわかった。Pは酸化することでH⁺を生成する(例:P+4H₂O→H₂PO₄^-+6H⁺+5e^-)。したがって,Pを含有するリン脱酸銅は腐食孔内のpHが低くなりやすい。蟻の巣状腐食は,酸化皮膜(亜酸化銅)の破壊箇所で成長する。pHが低くなれば,亜酸化銅が溶解して,腐食速度が速くなる。このため,リン脱酸銅の蟻の巣状腐食は成長が速いと考えられる。無酸素銅は,pHがリン脱酸銅ほど簡単に低くなることができないので成長速度が遅くなると考えられる。(著者抄録)

シソーラス用語： *無酸素銅 ,  銅管 ,  *局部腐食 ,  *腐食 ,  脱酸素 ,  リン ,  銅 ,  *耐食性 ,  *腐食速度 ,  pH依存性 ,  酸化膜 ,  酸化第一銅 ,  脂肪族カルボン酸
準シソーラス用語： リン脱酸銅 ,  *蟻の巣状腐食

分類 (1件)： 腐食  (WB03030B)

物質索引 (1件)： ギ酸

引用文献 (10件)：

• 1) S. Yamauchi, K. Nagata, S. Sato and M. Shimono, Sumitomo Light Metals Tech. Rep., 25, 1 (1984).
• 2) T. Notoya, T. Hamamoto and K. Kawano, Boshoku-Gijutsu (presently Zairyo-to-Kankyo), 37, 110 (1988).
• 3) T. Notoya, T. Hamamoto and K. Kawano, Trans. Step into the90's Conference (Australia) 25, 65 (1989).
• 4) T. Notoya, Bulletin of the Faculty of Engineering, Hokkaido University, 162, 45 (1992).
• 5) T. Notoya and K. Kawano, J. Japan Copper and Brass Res. Assoc., 37, 27 (1998).

タイトルに関連する用語 (3件)： 無酸素銅 ,  蟻の巣状腐食 ,  耐食性