抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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生物指標は生物多様性の増加など環境管理の成果を評価する場合に重要である。里地里山の環境の変化を指標種で評価するためには,その基準値が必要となる。そのためには,用いる指標種に応じて,地域の土地利用形態を勘案しながら,一定のサンプリング法で指標種の基準個体群密度を推定する必要がある。里地里山における代表的な指標種として,カブトムシを用いて,その基準値の設定を試みた。2004~11年に静岡県伊東市の大形マンションの灯火に飛来したカブトムシを,毎年,飛来期間中に全数調査を行った。その年の飛来数(N
t)と翌年までの増加率(N
t+1/N
t)の間には密度逆依存の有意な関係がみられた。個体群密度は平衡値73を中心に変動し,平衡値からの偏差は主に蛹から羽化期の6月の平均気温(T)に左右された。N
tとTの間には負の相関があり,高温障害が示唆された。したがって,高温の夏はカブトムシの飛来数が少なかった。しかし,増殖率が密度に依存するため個体群密度は回復した。提案した平衡値の適用範囲についても論議した。(著者抄録)