抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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蛍光X線分析法におけるガラスビード法は,粉末法における粒度効果や鉱物効果等による不均質効果の影響を除去することができるため,粉末試料の定量分析でよく用いられている。また,ガラスビード法でより正確な分析を行うため,試料溶融中に起こる強熱減量や,秤量重量を用いた希釈率変化の補正も行われている。合金鉄や硫化物鉱物などをガラスビード法で分析する場合,金属元素や硫黄は酸化され,作成されたガラスビード中では酸化物として存在する。このため,これらの試料でガラスビードを作成した場合,多量の強熱増量が発生する。一方,試料が炭素等を含有していた場合は,同時に強熱減量も発生する。今回,このような試料に対し,強熱増量を負の濃度を持つ強熱減量成分として扱うFP法(ファンダメンタルパラメータ法)で理論マトリックス補正係数を算出し,その係数を用いて検量線法で定量演算を行う方法を開発した。実際に,フェロシリコン合金粉末のガラスビードを作成し,この方法を適用したところ,良好な結果が得られ,ガラスビード作成時に生じる高強熱増量や同時に発生する強熱減量に対して,十分な補正効果があることが確認できた。よって,この新たに開発したFP法を適用することで,種々のフェロアロイのガラスビードに対して,より正確な分析値が得られることが期待できる。(著者抄録)