抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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図書館システムを巡っては,脆弱な管理体制,人材不足,高コスト構造といった問題が指摘されてきたが,これまでは,こうした図書館システムの「運営面」の課題について本格的な調査・検証が行われたことがなかった。2010年,社団法人日本図書館協会の委託を受けて,三菱総合研究所が実施した「図書館システムに係る現状調査」は,このような状況の解明に初めて本格的に取り組んだ試みである。調査は,全国約1,700のあらゆる種類の図書館を対象としたアンケートによって行われ,7割以上の図書館から回答を得るなど,質・量ともに充実した成果が得られた。本稿では,その結果を踏まえ,現在,図書館システムが,1)不十分なサービス提供,2)割高なコスト水準,3)運営体制の脆弱さ,4)システムの不用意な作りこみ,5)未成熟な調達方法といった課題を抱えていることを検証する。また,これらの課題が発生した背景及び今後の図書館システムを取り巻く環境の変化の見通しを考察した上で,将来的に,図書館は,図書館システムへのIT統制の確立,システム調達方法の見直し,OSS利用の検討,システム共同化の検討,クラウドコンピューティング導入の検討,APIによる外部サービスの活用に取り組むべきであることを提言する。(著者抄録)