抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,普通ポルトランドセメント(以下OPC)に高炉スラグ微粉末(以下BFS)の置換率を変えたセメント系材料を用い,BFS,無水石膏(以下AH)および石灰石微粉末(以下LSP)の役割の検討と23°Cおよび40°Cにおける硫酸塩劣化機構を,硫酸塩浸漬前の水和生成物と関連付けて考察することを目的とした。また耐硫酸塩性を向上させるためのBFS,AHおよびLSPを用いた材料設計を提案することを目的とした。その結果(1)BFS置換率の増加に伴い,耐硫酸塩性は向上した。これは,硫酸塩浸漬前のCH量に加え,未反応C3S量が減少したことに起因すると結論付けた。(2)AHを混和した供試体で耐硫酸塩性が向上したのは浸漬前の硬化体に多量のエトリンガイトを生成したことに起因すると結論付けた。(3)LSPを混和した供試体で耐硫酸塩性が向上したのは,硬化体にモノカーボネートを生成したことに起因すると結論付けた。またLSPの混和は初期強度改善に有益であると結論付けた。(4)BFSを55%以上置換した場合には,23°Cおよび40°Cの長さ変化率はほぼ同程度となり,浸漬温度の影響を小さくすることができた。また本実験の範囲ではBFS59.5%-OPC25.5%-AH5%-LSP10%(BFS/OPC質量比=70:30)供試体において最も高い耐硫酸塩性が得られた。(著者抄録)