抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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BellとClauser-Horne-Shimony-Holt(CHSH)の局所的隠れた変数模型は,2つのスピン1/2粒子のd=4次元系に適用したとき,2つの異なった評価法に依存して,量子CHSH演算子B=a・σ×(b+b′)・σ+a′・σ×(b-b′)・σに対して|〈B〉|≦2√2または|〈B〉|≦2を与えることを示した。これは線形性の破綻に起因している。通常のCHSH不等式|〈B〉|≦2はd=4次元の状況独立な局所的隠れた変数模型の確実な検証を提供しないことを示した。|〈B〉|≦2を一意的に達成するには,隠れた変数模型に線形性を要請する必要があり,結局,von Neumann型構造を加える必要がある。局所模型は2つの状況独立なd=2次元隠れた変数模型の因数積に転換されることを示した。この因数積は純粋な分離可能量子状態を意味し|〈B〉|≦2を満たすが,もはやd=4次元の固有の局所的隠れた変数模型ではない。従って,通常のCHSH不等式|〈B〉|≦2は純粋な分離可能量子力学状態を特徴づけるが,d=4次元の状況独立な模型を排除するGleasonの定理と矛盾しないd=4次元の局所的隠れた変数模型を検証しない。この結果は,隠れた変数に頼らない混合分離可能状態に基づいたEkertによる量子暗号へのCHSH不等式の適用とも矛盾しない。(翻訳著者抄録)