抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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一酸化窒素(NO)は非ミトコンドリア酵素であるグアニル酸シクラーゼ(GC)及びミトコンドリア生物学に関連した翻訳後修飾であるシステイニル-NO(SNO)付加物の発生により生理的影響を発揮する。種々の機構で生成した少数のSNO蛋白質は哺乳類ミトコンドリア特異的に見られ,酸化的リン酸化の調節及びミトコンドリア機能の他の側面に影響する。NOとヘム,鉄-硫黄中心又はグルタチオン(GSH)との結合と無関係又は集団的にミトコンドリアSNO蛋白質が形成して機能する原理をSNOに基づくシグナル伝達の分子バックグラウンドで概説した。ミトコンドリアSNO蛋白質が電子伝達の複合体Iを阻害し,ミトコンドリア活性酸素(ROS)生産を調節し,ミトコンドリア透過性遷移孔(MPTP)のカルシウム依存性開口に影響し,ミトコンドリア蛋白質の選択的移入を促進してミトコンドリア分裂を促進することが判明している。可逆性の容易さ及びS-ニトロ(ソ)シル化及び脱ニトロ(ソ)シル化酵素反応の確認により,SNOが酸化還元機構によりミトコンドリアを調節という仮説を支持した。ミトコンドリア蛋白質のSNO修飾がホメオスタシス又は順応性(生理的)又は病原性かは活発に研究が行われている分野である。ミトコンドリアSNO蛋白質は主に保護に関連し,治療効果もある。前者は主に炎症及び虚血/再潅流症候群で後者は神経変性疾患である。実験的にミトコンドリアSNOデリバリーも治療の新しい分野になる可能性がある。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.