抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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IT(Information Technology)アーキテクトはメインフレーム全体を掌握するスーパーSE(システムエンジニア)に始まったが,様々なシステム基盤が乱立してシステムが巨大化すると個別システムのアーキテクチャの適正化を役割とするようになった。本論文では,クラウドサービスやSaaS(Software as a Service)の普及,業務パッケージの利用拡大などの環境変化に伴ってITアーキテクトの役割が見直されつつある現状について述べた。ユーザー企業ではハードウェアやOS(Operating System)などの更新をクラウドサービスによって行うことでシステム基盤の老朽化対応が不要となり,事業とは直接関係しない業務ではパッケージソフト,競争力の源泉となる領域にはSaaSを活用することで安く,常に新しいシステムを構築し続けられる。クライアント・サーバー・システムの登場以来,企業システム全体を理解できる人材が減ったが,様々な技術やサービスを組み合わせてシステムを設計する役割が求められている。ITアーキテクトには企業システム全体の最適化につなげるために事業構造や事業戦略を理解し,事業を支えるシステムのあり方を考える必要性があることを論じた。