抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
カリウム系賦活剤を用いて竹炭を調製し,カリウム成分が竹炭の物性に及ぼす影響について検討した。炭酸カリウム(K
2CO
3)と短冊状にした竹チップを重量比(K
2CO
3/Bamboo chip)で0.05,0.1,0.5となるように混合し,その混合物を管状炉によって窒素気流中,500°C,昇温速度25°C/minで2時間炭化し,竹炭およびカリウム混合竹炭を調製した。調製した供試炭の物性はBET法,α
s-plotを用いたSPE法およびt-plot法から求めた比表面積および細孔容積にて,Boehm滴定から求めた表面官能基にて評価した。その結果,調製した供試炭の物性は,カリウム成分と竹チップの混合比により大きく異なった。カリウム成分の混合比が低いカリウム混合竹炭の比表面積は竹炭(250m
2/g)よりも小さく,混合比0.05の供試炭が118m
2/g,0.1の供試炭が123m
2/gであった。しかし,混合比が高い0.5の供試炭は472m
2/gと竹炭よりも大きい結果となった。表面官能基量はカリウム成分を混合することにより増加し,中でもカルボキシル基の増加が大きく,混合比0.5の供試炭のカルボキシル基量は竹炭の約50倍を示した。調製した各供試炭を用いて水蒸気吸脱着試験を行った結果,表面官能基量の多い供試炭は低湿度域で多くの水蒸気を吸着し,細孔容積の多い供試炭は中・高湿度域で水蒸気吸着量が増加する結果となった。また,季節変動を想定して温度をパラメータとしたときの水蒸気吸脱着量は,供試炭の種類に依存しない結果となった。このため,本実験で調製したカリウム混合竹炭は,季節によって変化する温度の影響をほとんど受けない調湿材として期待できる。(著者抄録)