抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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傾斜放牧草地(1.5ha)における牛の排ふんとふん由来養分量の空間分布を明らかにすることを目的とした。そのために,10mメッシュ毎の排ふん回数を調査し,この排ふん回数とふん中養分量からふん由来養分量を算出した。月毎の排ふん回数の分布は傾斜角との間に負の,比高との間に正の相関関係が認められた。月毎の排ふん回数は牧柵,給塩場および庇陰樹周辺で多い傾向が認められた。年間排ふん回数は,傾斜角10.6度に折曲点を持つ折れ線モデルにより,低傾斜角で多いことが示された。傾斜角10.6度以下の年間排ふん回数は重回帰分析において比高と牧柵によって説明された(R
2=0.681)。メッシュ毎の年間ふん由来窒素(N),リン(P
2O
5)およびカリウム(K
2O)の最大値は254,246および145kg/haとなった。供試草地の施肥量(N,P
2O
5およびK
2Oそれぞれで120,90および30kg/ha)を超える供給量となる面積割合は窒素,リンおよびカリウムで2,2および5%であり,施肥量の25%以上の供給量となる面積割合は14,19および46%であった。これらの結果から,低傾斜角や比高が高い場所,牧柵,給塩場,庇陰樹の周辺は排ふんが多く養分が供給されるため,減肥が可能であることが示された。(著者抄録)