特許
J-GLOBAL ID:201203024802944435
一方向強化織物とその製造方法、これを用いたプリプレグおよび炭素繊維複合材料
発明者:
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出願人/特許権者:
代理人 (6件):
志賀 正武
, 高橋 詔男
, 渡邊 隆
, 鈴木 三義
, 西 和哉
, 村山 靖彦
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願2011-119267
公開番号(公開出願番号):特開2012-246583
出願日: 2011年05月27日
公開日(公表日): 2012年12月13日
要約:
【課題】炭素繊維束を用いて形成された一方向強化織物であって、樹脂含浸の操作などの各種成型加工の作業環境においても織物の型崩れが生じにくく、織物中の炭素繊維の直線性が保たれる一方向強化織物を提供する。【解決手段】炭素繊維束からなる縦糸と、縦糸を拘束する横糸からなる一方向強化織物であって、以下の条件イ、ロ、およびニを満たすとともに、以下の条件ハ-1および/またはハ-2を満たす。(条件イ)一方向強化織物の目付けが100g/m2以上500g/m2以下。(条件ロ)一方向強化織物のカンチレバー値が170mm以上。(条件ハ-1)一方向強化織物を構成する炭素繊維束中の単繊維の配向度が91%以上。(条件ハ-2)一方向強化織物と樹脂との硬化物において、硬化物を構成する炭素繊維束中の単繊維の配向度が91%以上。(条件ニ)一方向強化織物を構成する炭素繊維束中の単繊維断面の真円度が92%以下。【選択図】なし
請求項(抜粋):
炭素繊維束からなる縦糸と、縦糸を拘束する横糸からなる一方向強化織物であって、以下の条件イ、ロ、およびニを満たすとともに、以下の条件ハ-1および/またはハ-2を満たす、一方向強化織物。
条件イ:一方向強化織物の目付けが100g/m2以上500g/m2以下である。
条件ロ:以下の測定方法(ロ)で測定した、一方向強化織物のカンチレバー値が170mm以上である。
条件ハ-1:以下の測定方法(ハ-1)で測定した、一方向強化織物を構成する炭素繊維束中の単繊維の配向度が91%以上である。
条件ハ-2:以下の測定方法(ハ-2)で測定した、一方向強化織物と樹脂との硬化物において、硬化物を構成する炭素繊維束中の単繊維の配向度が91%以上である。
条件ニ:以下の測定方法(ニ)で測定した、一方向強化織物を構成する炭素繊維束中の単繊維断面の真円度が92%以下である。
[測定方法(ロ)]
(手順1)一方向強化織物から、縦糸の繊維軸方向に40cm、縦糸の繊維軸に垂直方向に1インチとなる大きさの試験片を切り出す。
(手順2)水平面と、該水平面の一端から下方に向かって傾斜する、傾斜角度が45度の斜面とを有する測定台の、前記水平面上に前記試験片を載せ、該試験片の端部を前記斜面と前記水平面との境界線Aにあわせる。該試験片の上に押さえ板を載せ、該押さえ板の端部を前記境界線Aに合わせる。
(手順3)次に押さえ板を斜面に向かう水平方向に2cm/秒の速さで移動させて、前記試験片の端部が斜面と接触した時点で押さえ板の移動を停止させる。
(手順4)押さえ板の移動距離を一方向強化織物のカンチレバー値とする。
[測定方法(ハ-1)]
(手順1)一方向強化織物から一辺が11.2cmとなる試験片を切り出す。
(手順2)光学顕微鏡を用いて前記試験片の観察像を得る。観察方向は一方向強化織物の面に対して垂直方向、観察倍率は50倍、観察する場所は横糸付近の炭素繊維束部分とする。
(手順3)前記観察像を2次元フーリエ変換して、変換像を得る。
(手順4)前記変換像において原点をから一定半径での輝度情報を周方向に取得して、横軸を角度、縦軸を輝度情報とした1次元プロファイルを得る。該一定半径は、観察像における20μm周期に相当する長さとする。
(手順5)前記1次元プロファイルには、炭素繊維の周期由来の2つのピークが、角度にして180度異なる位置にある。ピークが、角度にして0度または360度で分割されているものについては、これをピークと認定しない。ピークが2つあるものについては任意のピークを、ピークが1つのものはそのピークを、解析対象ピークとする。
(手順6)前記解析対象ピークをガウス関数とローレンツ関数の合成曲線でフィッティングさせて、得られた合成曲線の半価幅を求める。半価幅とは、合成曲線のピーク高さの半分になる低角側の角度θ1と広角側の角度θ2の差θ2-θ1である。
(手順7)前記半価幅を用いて下式(1-1)から配向度を求める。
配向度[%]=(180-半価幅)/180×100 ...式(1-1)
[測定方法(ハ-2)]
(手順1)一方向強化織物から一辺が11.2cmとなる試験片を切り出す。
(手順2)少なくとも片面に離型処理を施した1辺が20cmの正方形の離型フィルムを2枚用意する。
(手順3)前記離型フィルムの1枚を離型処理面が上になるように置いて、この中心部にエポキシ樹脂を3g滴下して、さらにこの上に手順1で得た試験片を載せる。次に該試験片の中心にエポキシ樹脂を3g滴下して、その上にもう1枚の離型フィルムを離型処理面が下になるように載せて、積層物を得る。次に該積層物に、大きさが21cm×23cm×4mmで重さが0.6kgのガラス板を載せて3分間静置させた後、該ガラス板の上に底面が11cm×12cmの四角形で重さが10.5kgの錘を載せて5日間静置させることによりエポキシ樹脂を硬化させる。この後、前記錘とガラス板を外し、さらに2枚の離型フィルムをはがして、一方向強化織物の試験片とエポキシ樹脂硬化物が一体化された一方向強化織物樹脂硬化物を得る。本手順におけるエポキシ樹脂は、コニシ(株)製のボンドE2500S(製品名。主剤/硬化剤=2/1(質量比)。)を使用する。
(手順4)得られた一方向強化織物樹脂硬化物の中央部に評価対象領域を設ける。評価対象領域は、2辺が繊維軸方向に平行となるような1辺が4cmの正方形とする。光学顕微鏡を用いて前記評価対象領域を、一方向強化織物樹脂硬化物の面に対して垂直方向から観察して観察像を得る。観察の条件は、観察倍率50倍、落斜照明、暗視野として、観察場所は炭素繊維束部分であって横糸の近くとする。
(手順5)以下、前記測定方法(ハ-1)における手順3〜7と同様にして、配向度を求める。
[測定方法(ニ)]
(手順1)一方向強化織物に樹脂を含浸させ硬化させて硬化物を得る。
(手順2)前記硬化物の、炭素繊維束の繊維軸に垂直方向の断面の研磨面を得る。
(手順3)前記研磨面を、研磨面に対して垂直方向から、顕微鏡を用いて観察して、単繊維断面の観察像を得る。
(手順4)前記観察像から単繊維断面の最小フェレ径と最大フェレ径を求める。
(手順5)前記最小フェレ径と最大フェレ径から下式(1-2)を用いて単繊維断面の真円度を求める。
真円度[%]=最小フェレ径/最大フェレ径×100 ...式(1-2)
IPC (7件):
D03D 1/00
, D03D 15/12
, D06M 15/55
, D06M 15/564
, D06M 15/693
, D06M 15/53
, B29B 15/08
FI (7件):
D03D1/00 A
, D03D15/12 Z
, D06M15/55
, D06M15/564
, D06M15/693
, D06M15/53
, B29B15/08
Fターム (28件):
4F072AA04
, 4F072AA07
, 4F072AB10
, 4F072AB15
, 4F072AB22
, 4F072AC05
, 4F072AC08
, 4F072AD23
, 4F072AG03
, 4F072AL17
, 4L033AA09
, 4L033AB01
, 4L033AC12
, 4L033CA18
, 4L033CA48
, 4L033CA49
, 4L033CA50
, 4L048AA05
, 4L048AA24
, 4L048AA37
, 4L048AB07
, 4L048AC09
, 4L048AC12
, 4L048BA02
, 4L048CA12
, 4L048CA15
, 4L048DA30
, 4L048DA41
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