抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ジルコンは微量ながら広く産出し,年代測定やマグマの性質・起源情報をもたらす重要な鉱物であると同時に,最近はジルコンの結晶形態は岩石学的な特徴を示す重要なインディケータと考えられるようになってきた。しかし,ジルコンの双晶は個体数が非常に少なく,詳しい研究は多くはない。本論文では,新潟県第四紀堆積物である魚沼層中のSK030火山灰層から産出するジルコン双晶を,偏光顕微鏡,走査型電顕,高分解能透過型電顕およびカソードルミネッセンスを用いて観察を行った。その結果,双晶の内部構造,形態および双晶面などについて以下のような従来にはない新しい知見が得られた。双晶は形態的に扇状接触双晶とクサビ状貫入双晶の二つに分類される。これらは扇I型接触双晶,扇II型接触双晶及びクサビI型貫入双晶,クサビII型貫入双晶に細分される。また,扇状接触双晶とクサビ状貫入双晶の中間型ととらえられる複雑な形態のものも存在する。さらに,扇状接触双晶およびクサビ状貫入双晶の累帯構造解析により,多様な双晶形態に至る成長過程を解析した。高分解能電顕像と電子解析パターンの解析により,これらの双晶をなすジルコンの双晶面は従来は報告の無い{112}面であることが明らかとなった。また,コンドライトで規格化したジルコンの希土類元素パターンは右上がりで,Ceの正の異常,Euの負の異常を示した。